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業務委託契約(成果物あり)で、自社が委託者のときに注意すべきポイント
業務委託契約(成果物あり)で、自社が委託者のときに注意すべきポイント

本記事が対象となる主な業種 : 製造業,建設業,IT,その他全業種 | 立場 : 委託者

2年以上前に更新

自社が他社に対して、成果物の制作業務を委託する契約を締結した場合に、トラブルにつながることが多い規定について、トラブルを避けるためにはどのような対応が必要なのか、解説します。

目次

「権利の帰属」に関する条文

委託者としては、成果物に関する権利が自社に帰属していない場合、契約の相手方や第三者の権利を侵害してしまいかねません。

これを防ぐため、「権利の帰属」に関する条文について、次のような規定が含まれている場合、以下に記載している対応をとる必要があります。

注意すべき規定

必要な対応

「成果物の知的財産権の帰属先」が定められていない

この場合、成果物の知的財産権を自社が取得できないリスクがあります。

そのため、成果物の知的財産権を自社に帰属させることを想定していた場合には、契約の相手方と交渉して、規定の追加に関する契約書(覚書、合意書など)を締結する必要があります。

これを行わない場合、契約の相手方や第三者の知的財産権を侵害しないよう事業を行う必要があります。

例えば、成果物の著作権が相手方や第三者に帰属する場合、以下のようなことは基本的にできません。

(例)

・無断で成果物を複製(コピー)すること

・無断で成果物をインターネットなどで公開すること

「成果物の知的財産権が、受託者に帰属する」と定められている

この場合、成果物の知的財産権が、相手方に帰属します。

そのため、相手方の知的財産権を侵害しないよう事業を行う必要があります。

例えば、成果物の著作権が相手方に帰属する場合、以下のようなことは基本的にできません。

(例)

・無断で成果物を複製(コピー)すること

・無断で成果物をインターネットなどで公開すること

「損害賠償」に関する条文

委託者としては、受託者に対して請求できる損害賠償の範囲が限定されていると、受託者が契約の内容に違反した場合であっても、十分な責任を取ってもらえないことがあります。

これを防ぐため、「損害賠償」に関する条文について、次のような規定が含まれている場合、以下に記載している対応をとる必要があります。

注意すべき規定

必要な対応

受託者に請求できる損害賠償額に上限が定められている

この場合、上限額を超える被害を被ったときに、上限を超える金額については損害の賠償を請求できません。

そのため、自社が損害を被ることのないよう、契約の重要な義務について、相手方が契約の内容を遵守しているか、定期的に確認するのが望ましいです。

例えば、秘密情報の取扱いについて、管理責任者の設置や管理規則の制定を義務付けた場合には、受託者がこれらの義務を果たしているか確認することが考えられます。


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